「台所に立っていると、だんだん腰や脚がつらくなる」
「歯磨きをしている数分でも、腰が重くなってくる」
「レジ待ちや立ち話をしていると、脚がしびれて座りたくなる」
脊柱管狭窄症の方では、歩いているときだけでなく、同じ場所に立っていると腰・お尻・脚がつらくなることがあります。
歩いているわけではないのに、なぜ立っているだけでつらくなるのでしょうか。
脊柱管狭窄症そのものの影響に加えて、立っているときの姿勢や、股関節・お尻・体幹などで身体をどう支えているかも確認してみることが大切です。
脊柱管狭窄症では立っていると症状が出る方もいます
脊柱管狭窄症では、腰の神経の通り道が狭くなることで、腰・お尻・脚に痛みやしびれ、重だるさなどが現れることがあります。
症状の出方は人によって違い、歩き続けるとつらくなる方もいれば、同じ場所に立っているだけで症状が出てくる方もいます。
また、腰を反らすような姿勢で症状が出やすく、少し前かがみになったり座ったりすると楽になる方もいます。
ですから、「立っているとつらい=立ち方が悪い」と単純に考えることはできません。
まずは、どのくらい立っていると、どこに、どんな症状が出るのかを確認することが大切です。
立っているときだけでなく、「歩くと脚が痛い・しびれる、少し休むとまた歩ける」という方はこちらも参考にしてください。
「立っているだけ」でも身体は働いています
立つという姿勢は、一見すると何もしていないように見えます。
しかし実際には、身体が倒れないように足元から上半身までさまざまな部分が働いています。
足裏で身体を支え、膝や股関節で体重を受け止め、お尻や体幹なども姿勢を保つために働きます。
つまり、長く立っているためには「腰だけ」ではなく、身体全体で支える必要があります。
症状によって活動量が減っていたり、股関節や足首が動きにくくなっていたりすると、立っている時間そのものが以前より負担に感じられる場合があります。
台所や歯磨きでつらくなりやすいのはなぜ?
立っているとつらい方から特によく聞くのが、台所や洗面台での症状です。
料理をする。食器を洗う。歯を磨く。
こうした場面では、手元の作業をしながら、ほぼ同じ場所に数分から数十分立ち続けます。
歩いているときのように左右の脚を交互に動かすわけでもなく、かといって椅子に座って休んでいるわけでもありません。
さらに、作業台や洗面台へ手を伸ばすため、身体が少し前へ傾いたり、反対に腰で身体を支え続けたりすることもあります。
そのため、脊柱管狭窄症による症状だけでなく、「同じ姿勢を保ち続けること」自体がつらくなっているケースも考えられます。
前かがみが楽なら、無理に真っすぐ立たなくて大丈夫です
「姿勢を良くしなければ」と思って、胸を張り、腰を反らせるように立っていませんか?
脊柱管狭窄症の方の中には、少し前かがみになると症状が楽になる方がいます。
その場合、見た目を良くするために無理に身体を起こし続ける必要はありません。
ねこひげ整体院が考える姿勢改善は、「いつでも背筋をピンと伸ばすこと」ではありません。
今の身体で無理なく支えられ、必要に応じて姿勢を変えられることの方が大切です。
前かがみが悪い、真っすぐが正しい、と姿勢を一つに決めつけるのではなく、どの姿勢なら楽なのか、どんなときにつらくなるのかを身体を見るヒントにしていきます。
片足ばかりに体重をかけていませんか?
立ち続けるのがつらいと、無意識に楽な立ち方を探します。
片足へ体重をかける。膝を伸ばし切る。台に身体を預ける。腰を反らせたり、身体を横へずらしたりする。
こうした動きは、つらさから身体を守るために自然に出ている場合もあります。
そのため「その立ち方が悪いから痛い」とは限りません。
ただ、いつも同じ脚ばかりに体重をかけているなど、身体の支え方に大きな左右差がある場合には、股関節やお尻、腰などの使われ方にも違いが出ます。
ねこひげ整体院では、左右均等に立つことを目標にするのではなく、なぜその立ち方になっているのかを確認します。
股関節やお尻、体幹で身体を支えられているか
立っているときに腰が頑張りすぎているように見える方では、腰だけでなく股関節やお尻、体幹なども確認します。
たとえば、股関節が動きにくくなっている。お尻で体重を支えにくい。体幹で姿勢を保ちにくい。
こうした状態があれば、立つときの身体の支え方にも影響します。
ただし、「お尻が弱いから狭窄症になった」「体幹が弱いから脚がしびれる」という意味ではありません。
脊柱管狭窄症という診断とは別に、今の身体で立つために使える機能がどのくらい残っているかを見るということです。
座ると楽になるなら、それも身体を見るヒントです
立っていると症状が強くなり、椅子に座ると楽になる方もいます。
また、台所で少し腰かける、手をついて身体を支える、前かがみになると楽になる場合もあります。
こうした症状の変化は、自分の身体を知る大切な情報です。
「何分立つとつらくなるのか」
「座るとどのくらいで楽になるのか」
「腰・お尻・太もも・ふくらはぎのどこに症状が出るのか」
「立つだけと歩くときでは違うのか」
このあたりを確認しておくと、身体の状態を評価するときにも役立ちます。
「良い立ち方」をずっと続けようとしなくて大丈夫です
立っているとつらい方ほど、「正しい立ち方を覚えればいいのでは」と考えがちです。
しかし、人の身体は本来ずっと同じ姿勢を保つようにはできていません。
少し体重を移す。足の位置を変える。座れる場面では一度座る。
こうして姿勢を変えることも大切です。
痛みやしびれを我慢しながら、理想の姿勢を守り続ける必要はありません。
ねこひげ整体院でも、見た目の姿勢を一つの形に固定するのではなく、必要に応じて身体を動かせることを重視しています。
姿勢や体操を気をつけているのに、なかなか変化を感じられない方はこちらの記事も参考にしてください。
症状が強くなっている場合は医療機関での確認も大切です
脊柱管狭窄症と診断されている方でも、症状の変化には注意が必要です。
脚の力が以前より入りにくくなった、歩きにくさが明らかに進んできた、しびれや痛みが急激に強くなった、排尿や排便に変化があるといった場合は、整体だけで判断せず医療機関へ相談してください。
「いつもの狭窄症だから」と決めつけず、症状が変化したときには再評価を受けることも大切です。
脊柱管狭窄症と診断され、「このまま手術になるのでは」と不安な方はこちらもご覧ください。
ねこひげ整体院では立った状態まで確認します
ねこひげ整体院では、脊柱管狭窄症で立っているとつらい方に対して、ベッドに寝てもらって腰だけを施術するわけではありません。
腰や背中の動き、股関節・膝・足首の動き、片脚で立ったときの安定性、椅子からの立ち上がりなどを確認します。
さらに実際に立ってもらい、
どちらの脚に体重をかけているのか。
膝を伸ばし切っていないか。
上半身をどのように支えているのか。
立った状態と歩いた状態で症状はどう違うのか。
といったところも見ていきます。
大切なのは、「立ち方を直すこと」ではなく、なぜその立ち方になっているのかを身体全体から考えることです。
ゆるめる → うごかす → きたえる → おしえる
身体の状態を確認したら、その方に必要な内容を組み合わせます。
まず、腰・お尻・太ももなど、頑張りすぎて緊張している部分をゆるめる。
次に、股関節や背中、足首など、動きにくくなっているところをうごかす。
そのうえで、お尻や体幹、脚など、立つために必要な部分をきたえる。
最後に、その方の身体に合わせた立ち方・歩き方・日常動作や、体幹ケア・運動をおしえる。
目的は「きれいに立つこと」ではありません。
台所に立てる。歯磨きができる。レジ待ちが以前より苦にならない。外出先で立っていることへの不安が減る。
そんな日常生活を取り戻していくことです。
まとめ|立っているとつらいなら「立つための身体」も見てみましょう
脊柱管狭窄症で立っていると腰や脚がつらくなる場合、脊柱管狭窄症そのものの影響だけでなく、立ち続けるための身体機能も確認することが大切です。
股関節や足首が動くか。お尻や体幹で身体を支えられるか。片側へ体重が偏っていないか。そして、どのくらい立つと症状が出るのか。
こうしたところまで確認すると、「腰が悪いから仕方ない」だけでは見えなかった身体の特徴が分かることがあります。
台所や歯磨き、レジ待ちなど、何気ない日常の中で立っていることがつらくなっている方は、腰だけでなく身体全体の支え方や動きも一度見直してみてください。
立っているときの腰や脚のつらさには、姿勢だけでなく、股関節や体幹の使い方、身体の支え方が関わっていることがあります。
脊柱管狭窄症について、当院でどのような点を確認しているか詳しく知りたい方は、「脊柱管狭窄症でお悩みの方へ」をご覧ください。
