「前かがみになると腰が痛い」
「靴下を履くときに腰がつらい」
「顔を洗う姿勢や、床の物を拾う動作で腰が痛む」
このようなお悩みはありませんか?
前かがみで腰が痛むと、「腰を丸めるのが悪いのかな」と不安になり、できるだけ腰を曲げないようにする方もいます。
しかし、腰を丸める動きそのものが悪いわけではありません。
身体を前に倒すときは、腰だけではなく、股関節・膝・背中などが少しずつ動きながら、一つの動作を作っています。
大切なのは、腰を曲げているかどうかではなく、腰だけに動きや負担が集まっていないかを見ることです。
前かがみで腰が痛い人に多い場面
前かがみで腰がつらい方は、日常生活のこんな場面で痛みを感じることがあります。
- 朝、洗面台で顔を洗う
- 靴下やズボンを履く
- 床に落ちた物を拾う
- 掃除機をかける
- 草取りや庭仕事をする
- 洗濯物をかごから取り出す
- 前かがみから身体を起こす
こうした動作には共通点があります。
それは、身体を前へ倒したあと、再び起こす必要があることです。
つまり「前に曲げる動き」だけではなく、前かがみから戻る動きまで含めて確認することが大切です。
前かがみは腰だけで行う動きではありません
床の物を拾う動作を想像してみてください。
身体を前へ倒すとき、腰だけを丸めて手を伸ばす方法もあります。しかし実際には、股関節を曲げたり、必要に応じて膝を曲げたりしながら、身体全体で高さを下げることもできます。
同じ「床の物を拾う」という動作でも、身体の使い方は人によって違います。
股関節が十分に動かない、膝を使う習慣が少ない、背中が動きにくいといった状態では、目的の位置まで手を伸ばすために腰が大きく動いて補うことがあります。
この「補う動き」自体が悪いわけではありません。
身体は、動きにくい部分があれば別の場所を使って目的を達成しようとします。
ただ、それが毎回同じ場所に集中すると、腰まわりに負担がたまりやすくなる場合があります。
股関節を使えているか確認してみましょう
前かがみで腰が痛む方では、股関節の動きが一つのポイントになります。
股関節は、身体を前へ倒すときに大きく動く関節です。
ところが、身体を前へ倒すたびに腰から先に丸まるクセがついていると、股関節をあまり使わずに動いていることがあります。
たとえば洗面台で顔を洗うとき。
膝を伸ばしたまま、腰からグッと折れるように身体を倒していないでしょうか。
そんな方は、膝を少し緩め、股関節から身体を折りたたむようにしてみてください。
「腰を絶対に曲げない」ということではありません。
腰だけでなく、股関節や膝にも仕事を分けるというイメージです。
太ももの裏の張りだけを原因にしないことも大切です
「前屈すると太ももの裏が突っ張る」という方もいます。
太ももの裏にあるハムストリングスは骨盤にもつながっているため、その柔軟性は前かがみの動きに関係します。
ただし、「太ももの裏が硬い=腰痛の原因」と単純に決めることはできません。
前かがみのしにくさには、股関節の動き、背中の動き、膝の使い方、痛みに対する怖さなど、さまざまな要素が関係します。
ですから、太ももの裏を一生懸命ストレッチすれば解決するとは限りません。
身体全体の動きの中で、どこが動きにくく、どこが必要以上に頑張っているのかを見ることが大切です。
痛いのは「曲げるとき」?それとも「起こすとき」?
前かがみで腰が痛い方は、もう一つ確認してほしいことがあります。
それは、どのタイミングで痛むのかです。
身体を前へ倒していく途中で痛むのか。
一番下まで行ったところで痛むのか。
それとも、前かがみから身体を起こす瞬間に痛むのか。
たとえば、靴下を履くところまでは大丈夫でも、身体を起こす瞬間に腰が痛む方もいます。
この場合、前へ曲がる動きだけでなく、そこから身体を起こすときに、脚やお尻を使えているかを見る必要があります。
本来、前かがみから身体を起こすときには、股関節まわりやお尻、太ももなども一緒に働きます。
それらをあまり使わず、腰の筋肉だけで上半身を引き起こすような動きになると、腰に負担を感じることがあります。
前かがみや立ち上がりなど、日常動作で腰痛をくり返す方はこちらも参考にしてください。
お腹に力を入れ続ければいいわけではありません
前かがみで腰が痛いと、「体幹が弱いから腹筋を鍛えた方がいい」と思う方もいます。
体幹が身体を支えるうえで大切なのは確かです。
ただし、強くお腹に力を入れて腰を固め続ければよいわけではありません。
身体を動かすときには、支える部分と動く部分の両方が必要です。
体幹である程度身体を支えながら、股関節や背中などが必要な分だけ動く。
この協力ができることで、腰だけが頑張りすぎずに済みます。
そのため、ねこひげ整体院では「腹筋を鍛えましょう」で終わるのではなく、実際の前かがみ動作の中で身体をどう使っているかを確認します。
自分の前かがみをチェックしてみましょう
痛みの強くない範囲で、普段どおり床の方へ手を伸ばしてみてください。
そのとき、
- 動き始めから腰だけが大きく丸まる
- 股関節より先に腰が動く感じがする
- 膝をほとんど曲げない
- 左右どちらかへ身体が逃げる
- 戻るときに腰を反らせて起きる
- お尻や脚を使っている感じがほとんどない
といった特徴がないか確認します。
ただし、前屈の形に「これが絶対に正しい」という一つの答えがあるわけではありません。
脚の長さ、身体の柔軟性、目的の動作によって、動き方は変わります。
チェックしたいのは、毎回同じ場所だけに負担を集めていないかです。
日常では「腰を曲げない」より負担を分ける工夫を
腰痛があるからといって、日常生活で腰を一切曲げずに過ごすことはできません。
むしろ「腰を曲げたらまた痛くなる」と怖がりすぎると、身体全体を固めて動くようになることもあります。
日常では、腰を守ろうと固めるよりも、状況に応じて身体全体を使うことを意識してみてください。
床の物を拾うなら、物へ近づいてから膝と股関節も使う。
洗面台では、必要なら片手をついて身体を支える。
靴下は立ったまま無理に履かず、椅子に座って行う。
草取りでは同じ前かがみを続けず、姿勢を変えながら休憩する。
こうした小さな工夫でも、腰だけへ負担が集中しにくくなります。
ねこひげ整体院では前かがみの「形」だけでなく動き方を確認します
ねこひげ整体院では、「前かがみで腰が痛い」という方に対して、腰だけを触って判断するわけではありません。
実際に前かがみになってもらい、
股関節はどのくらい動いているか。
膝を使えているか。
背中は動いているか。
腰だけに動きが集中していないか。
身体を起こすときに、お尻や脚を使えているか。
といったところを確認します。
同じ「前かがみで痛い」という症状でも、動き方は一人ひとり違います。
だからこそ、痛い場所だけではなく、その痛みが出る動作そのものを見ることが大切です。
ゆるめる → うごかす → きたえる → おしえる
ねこひげ整体院では、慢性的な腰痛に対して、硬くなったところをゆるめるだけで終わりにしません。
まず、腰やお尻、股関節まわりなど、頑張りすぎて硬くなっている部分をゆるめる。
次に、股関節や背中など、動きにくくなっている場所をうごかす。
そのうえで、お尻や体幹など、身体を支えるために必要な部分をきたえる。
最後に、前かがみ・立ち上がり・物の持ち方など、その方の生活に合った身体の使い方をおしえる。
この流れで、腰をかばい続けるのではなく、身体全体で自然に動ける状態を目指します。
まとめ|前かがみで腰が痛いなら「腰だけの問題」と考えない
前かがみで腰が痛いからといって、「腰を丸めてはいけない」と考える必要はありません。
身体を前へ倒す動きには、腰だけではなく、股関節・膝・背中・体幹などが関わっています。
大切なのは、どこが動きにくく、どこが代わりに頑張っているのか。
そして、前かがみから戻るときまで含めて、身体全体で動けているかを見ることです。
顔を洗う、靴下を履く、床の物を拾う、掃除をする、庭仕事をするといった何気ない動作で腰痛をくり返している方は痛い腰だけではなく、日常の身体の使い方まで一度確認してみてください。
当院の慢性腰痛への考え方について詳しく知りたい方は、「腰痛でお悩みの方へ」をご覧ください。
