慢性腰痛に運動が必要な理由|お尻・股関節・体幹を使える身体へ

ねこひげ整体院 姿勢・動きのクセブログ

「腰痛には運動が大事と言われたけれど、何をすればいいのかわからない」

「腹筋やスクワットをした方がいいの?」

「痛いのに運動して、本当に大丈夫なの?」

慢性的な腰痛がある方から、こうした相談を受けることがあります。

腰痛に運動が必要だからといって、いきなりきつい筋トレをする必要はありません。

大切なのは、腰ばかりが頑張っている身体から、お尻・股関節・体幹なども一緒に使える身体へ変えていくことです。

腰痛をくり返している方では、筋力そのものが足りないというより、「動けるはずのところが動いていない」「働いてほしい筋肉がうまく使えていない」ということがあります。

なぜ腰をゆるめるだけでは戻ることがあるの?

腰がつらいとき、硬くなった腰まわりをゆるめると楽になることがあります。

それ自体は悪いことではありません。

ただ、日常生活に戻ったときに、

  • 前かがみを腰だけで行う
  • 立ち上がるときに腰を反らせる
  • 歩くと腰ばかりが疲れる
  • 長く立つと腰を固めてしまう

といった使い方が残っていれば、また腰へ負担が集まりやすくなります。

本来、立つ・歩く・座る・かがむ・立ち上がるといった動作は、腰だけで行うものではありません。

股関節、お尻、お腹、背中、脚などが協力して動きます。

ところが、その中の一部がうまく働かなくなると、腰が代わりに仕事を引き受けることがあります。

だから慢性腰痛では、「腰をゆるめる」だけではなく、身体全体の動きを取り戻すための運動が必要になるのです。

① お尻|立つ・歩く・立ち上がるときに使う

まず大切なのがお尻の筋肉です。

お尻は、歩く、階段を上る、椅子から立つなど、股関節を使って身体を動かすときに働きます。

歩くときには片脚で身体を支える瞬間があります。このとき、お尻がうまく働くことで骨盤を支えやすくなります。

ところが、お尻をうまく使えていないと、身体を支えるために腰まわりが頑張りやすくなります。

たとえば、「歩いているとだんだん腰が重くなる」「低い椅子から立つと腰がつらい」「階段や坂道で腰に力が入る」という方では、お尻の働きも確認したいところです。

歩くとき、足を踏み込んだ瞬間に腰が痛む方はこちらも参考にしてください。

ねこひげ整体院 姿勢・動きのクセブログ 歩くとき足を踏み込むと腰が痛いのはなぜ?|股関節・お尻・歩き方をチェック

お尻は「弱いから鍛える」だけではありません

ここで気をつけたいのが、お尻が使えていない=すぐ筋トレ、ではないことです。

長時間座っている方では、お尻まわりが硬くなって股関節の動きを邪魔していることもあります。

反対に、歩く機会が少なかったり、腰をかばう期間が長かったりすると、動作の中でお尻を使いにくくなっていることもあります。

そのため、

硬ければゆるめる。
動かなければ動かす。
そのうえで使えるようにする。

という順番が大切です。

② 股関節|腰の代わりに「曲げる・伸ばす」

慢性腰痛の方にぜひ見てほしいのが股関節です。

股関節は、歩く、しゃがむ、前かがみになる、立ち上がるなど、多くの日常動作に関わります。

たとえば床の物を拾うとき。

本来は腰だけを丸めるのではなく、股関節も曲がり、身体全体で前へ倒れていきます。

しかし股関節が硬かったり、使い方がうまくいかなかったりすると、

股関節が動かない → 代わりに腰がたくさん動く

ということが起こります。

顔を洗う。靴下を履く。掃除機をかける。草取りをする。

こうした何気ない動作を毎日腰だけで行っていれば、一回一回は小さな負担でも、積み重なっていきます。

歩くときも同じです。

脚を後ろへ出すには股関節が伸びる必要がありますが、股関節が動きにくいと、代わりに腰を反らせて脚を後ろへ出そうとすることがあります。

「歩くと腰が反ってつらい」という方は、腰だけではなく股関節の動きも確認する必要があります。

③ お腹・体幹|腰を固めずに身体を支える

「腰痛には腹筋」と聞いたことがある方も多いと思います。

でも、ここで必要なのは、上体起こしを何十回もできる腹筋ではありません。

大切なのは、呼吸をしながら、必要なときに身体を支えられる体幹です。

たとえば長く立っているとき。

お腹やお尻、脚を使って身体を支えられないと、腰を反らせたり、腰の筋肉を固めたりして立つことがあります。

前かがみから身体を起こすときも、お腹・お尻・股関節が一緒に働けば身体全体で戻れますが、うまく使えないと腰の筋肉だけで起きようとしやすくなります。

だからといって、常に「お腹に力を入れておけばいい」というわけでもありません。

息を止め、お腹をガチガチに固め、肩まで力んでしまえば、かえって動きにくくなります。

目指したいのは、

必要なときには支えられる。
でも、呼吸もできるし身体も動かせる。

そんな体幹の使い方です。

「筋力がある」と「動作で使える」は別です

ここは慢性腰痛の運動を考えるうえで、とても大切です。

筋トレで力を出せることと、日常生活の中でその筋肉を使えることは同じではありません。

たとえば、お尻の筋トレはできても、椅子から立つときには腰を反らせている。

腹筋運動はできても、立っているときには腰を固めている。

ストレッチでは股関節が動いても、床の物を取るときには腰だけを丸めている。

これでは、運動そのものはできても、普段の身体の使い方にはつながっていません。

ねこひげ整体院で考える「きたえる」は、単に筋力をつけることだけではありません。

実際に立つ・歩く・かがむ・立ち上がるときに、その筋肉を使える状態をつくることまで含みます。

では、慢性腰痛ではどんな運動から始める?

すべての人に同じ運動が必要なわけではありません。

お尻が使いにくい方もいれば、股関節が硬い方もいます。体幹で支えにくい方もいれば、身体全体を固めすぎている方もいます。

そのため、最初に必要なのは「とりあえず腹筋」「とりあえずスクワット」ではなく、今の身体で何が動いて、何が使えていないのかを確認することです。

たとえば、

お尻を使えていなければ、立ち上がりや股関節を伸ばす動きから。

股関節が動きにくければ、まず無理のない範囲で曲げる・伸ばす動きから。

身体を支えにくければ、呼吸を止めずに体幹を使う練習から。

こうして身体の状態に合わせて始めた方が、腰だけに力を入れて頑張る運動になりにくくなります。

痛いときほど「順番」が大切です

慢性腰痛に運動が大切だからといって、痛みが強い状態で無理に鍛える必要はありません。

身体がガチガチに緊張している状態で強い運動をすると、使いたいお尻や体幹ではなく、いつもの腰ばかりに力が入ることもあります。

そこでねこひげ整体院では、

ゆるめる → うごかす → きたえる → おしえる

という順番を大切にしています。

ゆるめる

まずは、腰やお尻、股関節まわりなど、頑張りすぎて硬くなっているところをゆるめます。

うごかす

次に、股関節や背中、骨盤まわりなど、動きにくくなっているところを動かしやすくします。

きたえる

そのうえで、お尻や体幹など、今までうまく使えていなかったところを使えるようにしていきます。

おしえる

最後は、その身体を日常生活で使えるようにします。

立ち方、歩き方、立ち上がり方、前かがみの仕方などを確認し、その方に合った体幹ケアや運動を続けられるようにします。

ねこひげ整体院 姿勢・動きのクセブログ 腰痛をくり返す人に多い体の使い方|前かがみ・立ち上がり・座り方の見直し

ねこひげ整体院では「どの筋肉が弱いか」だけを見ません

腰痛があると、「腹筋が弱いから」「お尻が弱いから」と一つの筋肉に原因を求めたくなることがあります。

しかし実際には、股関節が動きにくい、お尻を使いにくい、体幹で支えにくい、背中が動きにくい、前かがみや歩き方にクセがあるなど、いくつかの特徴が重なって腰が頑張りすぎている場合があります。

そのため、ねこひげ整体院では腰だけを確認するのではなく、前屈・後屈・回旋などの身体の動き、股関節の動き、立ち上がり、歩行、片脚で身体を支える状態なども確認します。

「どの筋肉を鍛えればいいか」ではなく、どこが動かず、どこが働かず、その分どこが頑張っているのかを見ることが大切だと考えています。

まとめ|腰を強くするより、腰だけに頑張らせない

慢性腰痛に運動が必要なのは、腰をムキムキに鍛えるためではありません。

お尻が働き、股関節が動き、体幹で身体を支えられる。そして、それらを立つ・歩く・かがむ・立ち上がるといった日常動作で使える。

腰を揉むと一時的に楽になるけれど、また同じように痛くなる。

運動した方がいいと言われたけれど、何をすればいいかわからない。

そんな方は、「腰を鍛える」よりも、まず腰以外の場所をきちんと使えているかを見直してみてください。

ねこひげ整体院では、痛い場所だけではなく、身体の動きや筋肉の使われ方まで確認しながら、無理なく動ける身体づくりをサポートしています。