腰痛が続いていると、
「腹筋が弱いから腰が痛いんでしょうか?」
「体幹を鍛えた方がいいですか?」
と聞かれることがあります。
たしかに、体幹は腰を支えるうえで大切な働きをしています。
ただし、慢性腰痛について考えるときに大切なのは、単純に「腹筋が強いか弱いか」だけではありません。
体幹が身体をどのように支え、立つ・歩く・物を持つといった動作の中で、うまく働いているかを見ることが重要です。
今回は、慢性腰痛と体幹の関係について、できるだけわかりやすくお話しします。
目次
そもそも「体幹」とはどこ?
体幹というと、
「お腹の筋肉」
「腹筋運動で鍛えるところ」
というイメージを持っている方も多いと思います。
しかし、体幹はお腹だけではありません。
一般的には、頭や手足を除いた、胸・背中・お腹・腰・骨盤周辺などを含む部分を指します。
その中でも、身体を内側から支えるために重要な働きをする筋肉として、
- 横隔膜
- 腹横筋
- 多裂筋
- 骨盤底筋群
などがあります。
これらは、お腹の周りをひとつの「筒」のように支える役割をしています。
イメージとしては、身体の中心に天然のコルセットがあるようなものです。
立つ、歩く、物を持つ。
こうした何気ない動作のときにも、体幹は身体を安定させるために働いています。
体幹がうまく働かないと、腰が頑張りすぎることも
「体幹が弱ければ腰痛になる」
というほど単純ではありません。
ただ、身体の中心をうまく支えられない状態になると、別の場所がその仕事を補わなければならなくなることがあります。
その一つが、腰周りの筋肉です。
たとえば、床にある荷物を持ち上げる場面を想像してみてください。
体幹が安定し、股関節や脚もうまく使えていれば、身体全体で力を受け止めやすくなります。
ところが、身体の中心をうまく支えられなかったり、股関節が十分に使えていなかったりすると、
「とりあえず腰を固めて頑張る」
という身体の使い方になりやすくなります。
これが日常生活の中で何度も繰り返されると、腰周りの筋肉ばかりに負担が集まりやすくなります。
特に、立っていると腰を反らしてしまう人や、身体を反らすと腰が痛む人では、腰だけで身体を支えている場合があります。
こうした身体の使い方については、
腰を反らすと痛い人に多い体の使い方|反り腰・股関節の硬さとの関係
でも詳しく解説しています。
「体幹が弱い=筋力不足」とは限りません
ここは特に知っておいてほしいところです。
体幹が大切と聞くと、
「じゃあ腹筋を鍛えればいいんですね」
と思われるかもしれません。
しかし、腹筋運動をたくさんすれば慢性腰痛が改善する、という単純なものではありません。
大切なのは筋肉の強さだけではなく、
必要なときに、必要な筋肉を使えているか
ということです。
たとえば椅子から立ち上がるとき。
体幹で身体を支えながら、股関節や脚をうまく使えれば、身体全体でスムーズに立ち上がることができます。
一方で、
- 腰を大きく反らして立つ
- 毎回太ももや肘掛けに手をついて立つ
- 身体をガチガチに固めないと動けない
といった状態では、単純な筋力不足だけではなく、身体の使い方や動かし方も関係している可能性があります。
つまり、
「筋肉があること」と「うまく使えていること」は別
なのです。
慢性腰痛では「動ける体幹」が大切
慢性腰痛を考えるうえでは、体幹をただ固くすることが目的ではありません。
なぜなら、私たちの身体は動くものだからです。
歩くときも、物を拾うときも、振り返るときも、背骨や骨盤、股関節は動きます。
そのため必要なのは、
身体を支えながら、必要なところを動かせること。
ずっとお腹に力を入れ続けたり、腰をガチガチに固め続けたりすることではありません。
必要以上に身体を固めることで、かえって動きにくくなってしまう場合もあります。
大切なのは、
「支える」と「動く」のバランスです。
体幹だけを見ても腰痛は分かりません
慢性腰痛には、さまざまな要素が関係しています。
たとえば、
股関節が硬く、腰が代わりに動いている人。
背中が動きにくく、腰ばかりひねっている人。
お尻の筋肉がうまく使えず、腰周りが頑張っている人。
立ち方や歩き方のクセによって、いつも同じ場所へ負担をかけている人。
このように、一口に腰痛といっても身体の状態は人それぞれです。
だからこそ、
「腰痛だから体幹を鍛えよう」
と一つの方法だけで考えるのではなく、
- 姿勢
- 関節の動き
- 筋肉の働き
- 体幹
- 日常生活での身体の使い方
などをまとめて確認していくことが大切です。
慢性腰痛の改善には順番も大切です
身体が硬く、関節も十分に動いていない状態で、いきなり筋力トレーニングを始めても、うまく身体を使えない場合があります。
ねこひげ整体院では、慢性腰痛に対して、
ゆるめる → うごかす → きたえる → おしえる
という4つのステップを大切にしています。
まず、使いすぎて硬くなっているところをゆるめる。
次に、本来動くべき関節を動かしやすくする。
そして、使えていない筋肉や体幹を使えるようにしていく。
最後に、それを立ち方・歩き方・立ち上がり方などの日常動作につなげていきます。
この考え方については、
慢性腰痛を改善する4ステップ|その場しのぎで終わらせない整体の考え方
で詳しく紹介しています。
ねこひげ整体院では「体幹だけ」を鍛えるわけではありません
ねこひげ整体院では、慢性腰痛の方に対して、痛い腰だけを施術して終わることはしていません。
姿勢や関節の動き、筋肉の働き、体幹、立ち方や歩き方なども確認しながら、なぜ腰に負担が集中しているのかを考えていきます。
体幹ケアも、そのための大切な要素のひとつです。
ただし、
「体幹を鍛えること」そのものが目的ではありません。
目指しているのは、
腰だけに頼らず、身体全体を使って動けるようになること。
そして、
「買い物へ行く」
「旅行を楽しむ」
「ウォーキングを続ける」
「仕事や家事を楽にする」
といった、その人がやりたいことにつなげていくことです。
ねこひげ整体院の施術全体の考え方については、
でもご紹介しています。
まとめ|体幹は「強さ」だけでなく「使い方」も大切
体幹は、慢性腰痛を考えるうえで大切な要素のひとつです。
ただし、
「腰痛=腹筋が弱い」
「腹筋を鍛えれば腰痛が良くなる」
というほど単純ではありません。
重要なのは、身体の中心を適切に支えながら、股関節や背骨、脚なども含めて、身体全体をうまく使えることです。
何度も腰痛を繰り返している方は、痛い腰そのものだけではなく、
「自分は身体をどう支えて、どう動いているのか?」
という視点でも身体を見てみると、今まで気づかなかった腰への負担が見えてくるかもしれません。
ねこひげ整体院では、慢性的な腰痛に対して、姿勢や関節の動き、体幹、身体の使い方まで含めて確認しています。
「腰を施術しても何度も戻ってしまう」
「運動した方がいいと言われたけれど、何をすればいいか分からない」
「これからも自分の足で元気に動き続けたい」
そんな方は、お気軽にご相談ください。
