「5本指ソックスって本当に身体にいいの?」
「普通の靴下と何が違うの?」
「良くない、やめた方がいいという話も見るけれど大丈夫?」
5本指ソックスについて調べると、こうした疑問を持つ方も多いと思います。
ねこひげ整体院では、普段から5本指ソックスをおすすめしています。ただし、「履いているだけで姿勢や腰痛が改善する魔法の靴下」と考えているわけではありません。
私が5本指ソックスをすすめる一番の理由は、5本の足指を一本ずつ意識し、動かしやすい環境をつくるためです。
そして本当に大切なのは、その状態で足指を実際に動かし、立つ・歩くときに使えるようにしていくことです。
そもそも足の指は何のためにある?
私たちは立っているとき、かかとだけで身体を支えているわけではありません。足裏全体が地面と接し、その中で足指も身体を支える土台の一部として働いています。
歩くときにも足は体重を受け止め、身体を前へ運ぶための土台になります。足部の小さな筋肉である「足部内在筋」は、足のアーチや足部の安定に関係しており、これらをトレーニングすることでバランスや足部機能の改善がみられた研究もあります。
つまり、足指は「靴の中に入っているだけの部分」ではありません。立つ・歩くという毎日の動作を支えるために、きちんと動かせることが大切です。
5本指ソックスをおすすめする理由
普通の靴下では、5本の指が同じ空間に入ります。一方、5本指ソックスでは指が一本ずつ分かれているため、自分の足指を意識しやすくなります。
ここで重要なのは、「ソックスが勝手に足を鍛えてくれる」ということではありません。
足指が一本ずつ分かれた状態をつくり、今まであまり動かしていなかった指を自分で動かすきっかけにすることに意味があると考えています。
特に普段から細いつま先の靴を履いていたり、足指を動かす習慣がなかったりすると、「親指は動くけれど小指はほとんど動かない」「足指を広げようとしても全然広がらない」という方も珍しくありません。
ねこひげ整体院では、5本指ソックスを履くことと、実際に足指を動かすことをセットで考えています。
足の指で「グー・チョキ・パー」ができますか?
簡単にできる足指チェックがあります。
素足になって、足の指で「グー・チョキ・パー」をしてみてください。
グーでは5本の指を曲げます。チョキでは親指と残り4本を別々に動かします。そしてパーでは5本の指を横へ広げます。
手なら簡単にできますが、足になると急に難しくなる方がいます。「頭では動かしているつもりなのに小指が動かない」「親指だけ別に動かせない」「パーにしても指の間がほとんど開かない」ということもあります。
できないから悪いという話ではありません。これは、自分の意思で足指をどのくらいコントロールできるかを知る一つのチェックです。
最初はほとんど動かなかった方でも、毎日少しずつ動かしていると、だんだん指を別々に動かせるようになることがあります。
虫様筋など「足の中にある小さな筋肉」も大切
足には、ふくらはぎから足指につながる大きな筋肉だけではなく、足の中で始まって足の中で終わる「足部内在筋」と呼ばれる小さな筋肉があります。
虫様筋や骨間筋、母趾外転筋、小趾外転筋などもその仲間です。こうした筋肉は足指の細かな動きを調節したり、足部を支えたりする働きに関係しています。
そのため、単に「足指を強く握る」だけではなく、曲げる、伸ばす、広げる、親指とほかの指を別々に動かすといった、いろいろな動きを行うことが大切です。
足部内在筋のトレーニングについては、これまでの研究でも足部の筋力やバランスなどへの良い変化が報告されています。ただし、「この筋肉だけを鍛えれば姿勢が良くなる」という単純な話ではありません。
足指を実際の立位や歩行の中で使えるところまでつなげていくことが重要です。
親指と小指を「開く力」も確認してみましょう
ねこひげ整体院では、足指を曲げる力だけでなく、親指と小指を外側へ開けるかも見ています。
親指を外側へ開く動きには母趾外転筋、小指側には小趾外転筋などが関係します。足の内側と外側の指を広げられることは、足幅を保ち、足裏で身体を支えるうえでも大切な機能の一つです。
特に、親指が人差し指側へ寄ってくる外反母趾や、小指が内側へ入り込む内反小趾が気になる方では、足指が靴の中で狭い状態になっていないか、親指・小指を自分で動かせるかも確認したいポイントです。
外反母趾については、母趾外転筋など足部内在筋の機能が、外反母趾のない人とは異なることが報告されています。また、つま先の狭い靴も外反母趾と関連する要因の一つとされています。
ただし、5本指ソックスを履いたり足指運動をしたりすれば、外反母趾や内反小趾を必ず予防できるという意味ではありません。
足指を狭い場所へ押し込め続けないことと、動かせる機能を保つこと。 そのための一つの習慣として、5本指ソックスや足指運動を取り入れるという考え方です。
「5本指ソックスは良くない」と言われるのはなぜ?
検索すると、「五本指ソックス 良くない」「五本指ソックス やめた方がいい」といった言葉も出てきます。
ですが、5本指ソックスそのものが身体に悪いと決まっているわけではありません。むしろ注意したいのは、足や靴に合っていない状態で履くことです。
たとえば5本指ソックスでは、それぞれの指の間にも生地が入ります。その状態でつま先の狭い靴を履けば、靴の中が窮屈になり、足指が圧迫されたり擦れたりすることがあります。
サイズが小さすぎて指先が引っ張られるものや、指を無理に広げるほど窮屈なものも避けた方がいいでしょう。
5本指ソックスを選ぶなら、ソックスだけを見るのではなく、履いた状態で足指が窮屈にならない靴を選ぶことも大切です。
「蒸れて水虫になりやすい」は本当?
5本指ソックスは指の間に生地があるため、「かえって蒸れるのでは?」と思う方もいるかもしれません。
実際には、指同士が直接密着しにくくなり、汗を生地が吸収するという面もあります。2025年には、趾間型の水虫治療で5本指タイプのソックスを併用したグループの方が良好な治療成績だったという研究も報告されています。
もちろん、汗をかいたソックスを長時間履き続けてよいという意味ではありません。素材や汗の量にもよるため、清潔なものへ交換し、足を乾燥させることは必要です。
5本指ソックスだけでは足指は鍛えられません
ここはとても重要です。
5本指ソックスを毎日履いていても、足指をまったく動かさなければ、それだけで十分とは考えていません。
たとえるなら、運動しやすい服に着替えただけで筋肉がつくわけではないのと同じです。
5本指ソックスは、足指を一本ずつ意識しやすくするための環境づくり。そこからグーチョキパーをしたり、親指・小指を開く練習をしたり、立ったときに足裏全体で身体を支えたりすることで、初めて「使う」につながっていきます。
足指運動をやってみましょう
最初はイスに座った状態で構いません。床に足裏をつけ、足指を見ながらゆっくり動かしてみましょう。
おすすめしているのは、グーチョキパー、親指だけを動かす練習、親指と小指を外側へ広げる練習などです。
回数をたくさんこなすことより、どの指を動かしているかを意識しながら、力まずに動かすことを大切にしてください。
足指が動きにくい方では、最初は手で少し動きを補助しながら感覚を覚えていく方法もあります。
そして、少しずつ動かせるようになってきたら、次は立った状態で足裏がどう地面についているか、歩いたときに足指が地面から浮いていないかなども確認していきます。
足指だけ見ても歩き方は変わりません
ここも、ねこひげ整体院で大切にしているところです。
歩行は足指だけで行うものではありません。足首、膝、股関節、骨盤、体幹が連動して、身体を前へ運びます。
歩くときに膝が痛む方は、つま先の向きだけでなく身体全体の歩き方についてこちらも参考にしてください。
足指を動かせても、股関節がほとんど動いていなかったり、体幹が安定していなかったりすれば、歩行全体ではうまく使えないことがあります。
反対に、腰や膝に負担を感じている方を見ていく中で、足指がほとんど地面に触れていない、親指や小指を自分で動かせないといった状態に気づくこともあります。
だから当院では、腰が痛ければ腰だけ、膝が痛ければ膝だけを見るのではなく、足元から股関節、姿勢、体幹、歩き方まで身体全体を見ることを大切にしています。
歩く・しゃがむときに足首が動きにくい方は、足首と腰の関係についてこちらも参考にしてください。
まとめ|5本指ソックスは「足指を使うきっかけ」に
ねこひげ整体院が5本指ソックスをおすすめしている理由は、「履くだけですべてが良くなる」からではありません。
5本の足指を一本ずつ意識しやすくし、今まであまり使っていなかった足指を動かすきっかけをつくれるからです。
そこからグーチョキパーをする。親指と小指を広げる。虫様筋などの足部内在筋を含め、足指を動かす機能を使っていく。そして立つ・歩く動作につなげていく。
この流れが大切です。
まずは一度、素足になって自分の足指を見てみてください。5本の指を全部動かせるでしょうか。親指と小指を開けるでしょうか。グーチョキパーはできるでしょうか。
普段ほとんど意識していない小さな足指ですが、立つ・歩くという毎日の動作を支える大切な身体の一部です。
5本指ソックスをきっかけに、「足指を履き物の中に入れておくだけ」から「自分で動かして使う」へ変えてみてください。
