「腰を揉んでも、しばらくするとまた痛くなる」
「歩いていると腰が重くなってくる」
「しゃがむと、かかとが浮いたり身体が後ろへ倒れたりする」
こんな方は、腰だけではなく足首の動きも一度確認してみてください。
腰痛というと腰や骨盤、股関節に目が向きやすいのですが、私たちの身体は足元から全身がつながって動いています。そのため足首が十分に動かないと、歩く・しゃがむ・立ち上がるといった動作で、膝や股関節、腰などが別の動きで補うことがあります。
つまり、「足首が硬いから腰痛になる」という単純な話ではありません。
大切なのは、足首が動きにくいことで、その分を腰が頑張る動きになっていないかを見ることです。
足首には「前へ曲がる動き」が必要です
足首にはいろいろな動きがありますが、日常生活で特に大切なのが、すねが足の甲側へ近づいていく背屈(はいくつ)という動きです。
たとえば歩いて身体が足の上を通過するとき、階段を上るとき、しゃがむとき、椅子から立ち上がるときなどに足首の背屈を使います。
この動きが十分に出ないと、身体はそのまま動けなくなるわけではありません。人間の身体はよくできているので、別の場所を使って何とか目的の動作を行おうとします。
ここで起こるのが「代償動作」です。
足首が硬いと身体は別の場所で補おうとする
たとえば足首が前へ曲がりにくい状態でしゃがもうとすると、かかとが浮く、足が外を向く、膝や股関節の使い方が変わる、上半身の位置を変えるといったことが起こる場合があります。
歩行でも同じです。足首がうまく動かなければ、歩幅を小さくしたり、足を外へ向けたり、股関節や骨盤の動きを変えたりしながら歩こうとすることがあります。
このような身体の補い方そのものが悪いわけではありません。身体にとっては、目的の動作を行うために必要な工夫でもあります。
ただし、毎日何千歩も同じ補い方を続け、その結果として腰ばかりに負担が集まっているのであれば話は別です。
腰をほぐして一時的に楽になっても、歩き方や立ち上がり方が変わらなければ、また同じ場所が頑張ることになります。
「歩くと腰が痛い」人は足元も見てみる
歩く動作は、脚を前後に動かすだけではありません。
足が地面につき、身体がその足の上を通り、そこから次の一歩へ進んでいきます。その間に足首・膝・股関節・骨盤・体幹がそれぞれ動きながら、身体全体で歩行を作っています。
ところが足首が動きにくいと、身体を前へ運ぶために別の場所で動きを補うことがあります。
その補い方は人によって違います。歩幅が小さくなる方もいれば、足先が外へ向く方、腰や骨盤を大きく動かして歩く方もいます。
そのため、ねこひげ整体院では「腰が痛いから腰を見る」だけではなく、実際に立ったときや歩いたときに足元から身体がどう動いているかも確認しています。
特に、足を踏み込んだ瞬間に片側の腰やお尻が痛む方はこちらも参考にしてください。
しゃがみにくい人にも足首の硬さが隠れていることがあります
「昔よりしゃがみにくくなった」という方も、足首を確認してみる価値があります。
深くしゃがむためには、股関節や膝だけでなく、足首にもある程度の動きが必要です。足首が前へ曲がりにくいと、かかとが浮いたり、身体が後ろへ倒れそうになったりして、しゃがみにくくなることがあります。
すると、床の物を取るときや庭仕事などでも、しゃがまずに腰から大きく前へ曲げるようになることがあります。
その動きを何度もくり返せば、腰が頑張る場面は増えます。
だから腰痛を見るときにも、「前かがみになると腰が痛い」という結果だけでなく、そもそも足首や股関節を使って身体を低くできるのかまで確認することが大切です。
足首が硬いか簡単にチェックしてみましょう
自宅でも簡単に確認できます。
壁の前に立ち、片足のつま先を壁から少し離します。かかとは床につけたまま、その足の膝をゆっくり壁へ近づけてみてください。
このとき、
- かかとがすぐ浮いてしまう
- 膝を前へ出しにくい
- 左右で大きく違う
- 足先を外へ向けないと膝が前へ出ない
といったことがあれば、足首の背屈が動きにくくなっている可能性があります。
ただし、「壁に何cmまで届かなければ異常」と、このチェックだけで決める必要はありません。身体の大きさや足の形にも個人差があります。
大切なのは、左右差や、自分がどんな動き方をしているかに気づくことです。
無理に膝を壁へ押し込んだり、足首に痛みがある状態で強く動かしたりする必要もありません。
足首が硬いからといって、足首だけをストレッチすればいいわけではありません
ここも大切なポイントです。
足首が硬いと分かると、「ふくらはぎを伸ばせばいい」「足首を毎日ストレッチすればいい」と考えがちです。
もちろん、ふくらはぎの筋肉が硬くなって足首の動きを邪魔している方もいます。その場合は、動かしやすくすることが役立つことがあります。
しかし足首が動きにくくなっている理由は、人によって同じではありません。
ふくらはぎの硬さだけでなく、足の使い方、足指の動き、足裏での体重の受け方、昔の捻挫などの影響、普段の立ち方や歩き方なども関係することがあります。
ですから、「硬いところを伸ばす」だけで終わらず、その足首を立位や歩行の中で使えるようにしていくことが重要です。
足首・股関節・体幹は別々に働いているわけではありません
腰への負担を減らすには、足首だけを見ればいいわけでもありません。
足首が動いていても、股関節がほとんど使えていなければ腰が頑張ることがあります。股関節が動いていても、お尻や体幹で身体を支えにくければ、やはり腰へ負担が集まる場合があります。
身体は一つの動作を、たくさんの関節や筋肉で分担しています。
ねこひげ整体院で大切にしているのは、「どこが悪いか」だけではなく、「どこが動けず、どこが代わりに頑張っているのか」を見ることです。
ねこひげ整体院では足元から歩き方まで確認します
慢性的な腰痛がある方に対して、ねこひげ整体院では腰だけを施術して終わることはありません。
前屈・後屈など腰の動きだけでなく、股関節や足首の動き、片脚で立ったときのバランス、立ち上がり方、立ち方や歩き方なども確認します。
足首が動きにくければ、まず周囲の硬さをゆるめる。そして必要な関節をうごかす。そのうえで、お尻や体幹、足元など身体を支えるために必要なところをきたえる。
最後に、せっかく動けるようになった身体を日常生活で使えるよう、立ち方や歩き方、その方に合った運動をおしえる。
この「ゆるめる → うごかす → きたえる → おしえる」の流れで、腰だけが頑張らなくてもいい身体を目指していきます。
まとめ|腰痛が続くときは足首も確認してみましょう
腰が痛いからといって、必ず腰そのものだけに原因があるとは限りません。
足首が動きにくいことで、歩く・しゃがむ・立ち上がるといった動作の中で膝や股関節、骨盤などの使い方が変わり、その結果として腰が余計に頑張っていることもあります。
だからといって「足首を柔らかくすれば腰痛が治る」ということでもありません。
大切なのは、足首・股関節・体幹などがそれぞれ役割を分担し、腰だけに負担を集めない身体の使い方を取り戻すことです。
腰を揉んでも何度も戻る方、歩いていると腰がつらくなる方、昔よりしゃがみにくくなった方は、一度自分の足首がどのくらい動いているか確認してみてください。
痛い腰から少し離れて身体を見ると、今まで気づかなかった改善のヒントが見つかるかもしれません。
当院の慢性腰痛へのアプローチについては、「腰痛でお悩みの方へ」で詳しくご案内しています。

