病院で「椎間板ヘルニアですね」と言われると、「この腰痛はもう治らないのでは」「しびれがあるから悪化しているのでは」「手術をしないといけないのかな」と不安になる方は少なくありません。
椎間板ヘルニアという名前の印象が強いため、診断を受けただけで「腰に大きな問題が起きている」と考えてしまうこともあります。
ただ、椎間板ヘルニアと診断されたからといって、その時点でこれからの身体の状態がすべて決まるわけではありません。
大切なのは、画像で分かったことをきちんと理解したうえで、今どんな症状があり、何をするとつらくなり、身体がどう動いているのかまで見ていくことです。
ヘルニアがある=症状の強さが決まるわけではありません
椎間板ヘルニアとは、背骨の間でクッションの役割をしている椎間板の一部が後方へ突出した状態です。突出した椎間板が神経根を刺激すると、腰だけでなく、お尻や脚に痛み・しびれが出ることがあります。
ただし、画像で確認されたヘルニアの状態だけを見て、現在の症状の強さや生活への影響まで判断できるとは限りません。同じ診断名でも、痛みが強い方、しびれが中心の方、症状の出る姿勢や動作が違う方など、一人ひとり状態が異なります。
そのため、「ヘルニアがあるから全部このせい」と考えるのではなく、神経への刺激や炎症、現在の症状、日常生活での身体の動きなどを合わせて考えることが大切です。
椎間板ヘルニアでなぜ腰や脚に痛み・しびれが出るのかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
「ヘルニアだから動かない方がいい」とは限りません
痛みやしびれがあると、「できるだけ動かない方が腰にはいいのでは」と考える方もいます。
もちろん、症状が強い時期に無理をして動いたり、痛みやしびれを我慢して運動したりする必要はありません。しかし、必要以上に動かない期間が長くなると、身体を動かす機会が減り、筋肉がこわばったり、身体を支える力が低下したりすることがあります。
また、痛みを避けるために片側へ体重を逃がす、腰を動かさないように固めるといった動きが続けば、症状が落ち着いたあとも身体の使い方に偏りが残ることがあります。
大切なのは「動くか、動かないか」の二択ではありません。今の状態で何ならできるのか、どの動きなら症状を強めずに行えるのかを見ながら、少しずつ日常の動きを取り戻していくことです。
安静・ストレッチ・姿勢など、ヘルニアの症状があるときに気をつけたいことはこちらでまとめています。
痛みやしびれが続いていると、身体の使い方も変わってきます
椎間板ヘルニアによる症状が長く続いていると、身体は無意識に痛いところをかばうようになります。
たとえば片側へ体重をかけて立つ、座ると腰を大きく丸める、前かがみになるときに股関節ではなく腰ばかりを使う、といった動きが増えることがあります。また、お尻や体幹をうまく使えず、腰周りの筋肉ばかりが頑張っている方もいます。
こうした身体の使い方が椎間板ヘルニアそのものを作っている、と単純に言うことはできません。
ただ、痛みをかばうことで背中や股関節が動きにくくなったり、腰やお尻の筋肉へ負担が集中したりすると、神経症状とは別に、筋肉の張りや動きにくさが重なってつらさを感じることがあります。
だからこそ、診断名だけではなく、「今の身体がどう動いているか」を確認することも必要です。
痛い腰だけを何とかすればいいわけではありません
腰が痛い、脚がしびれる。そうなれば、つらい場所を何とかしたいと思うのは当然です。
筋肉の緊張が強ければ、まずそれをやわらげることが必要な場合もあります。しかし、腰をほぐして一時的に楽になっても、前かがみや立ち上がり、歩行などで再び腰へ負担が集まる動きが続いていれば、同じようなつらさを感じることがあります。
ねこひげ整体院では、椎間板ヘルニアと診断された方でも腰だけを見るのではなく、背中・股関節・お尻・体幹、そして立ち方や歩き方などを確認します。
そのうえで、
ゆるめる → うごかす → きたえる → おしえる
という4ステップを基本に、その方に必要な部分を少しずつ見直していきます。
この4ステップについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
画像検査も、今の身体の状態も、どちらも大切です
元の記事では「画像の結果より、今の体の状態が大事」としていましたが、ここは少し考え方を整理しておきたいところです。
画像検査は、椎間板や神経の状態を確認したり、症状の背景にある問題を評価したりするうえで重要です。決して「画像は気にしなくていい」ということではありません。
一方で、画像だけでは、日常生活でどんな動作がつらいのか、股関節や背中がどのくらい動くのか、どこへ体重が偏っているのかまでは分かりません。
そのため、医療機関で確認する身体の状態と、実際に動いているときの身体の状態を両方見ることが大切だと考えています。
同じ椎間板ヘルニアという診断でも、長く座るとつらい方、立ち上がると痛い方、歩くと脚に症状が出る方では、日常生活で困っていることが違います。
ねこひげ整体院では、その違いを確認しながら、今の身体で変えていける部分を探していきます。
「ヘルニアだから、もう治らない」と決めつけないでください
椎間板ヘルニアと診断された事実を無視する必要はありませんし、整体で突出した椎間板を元の形へ戻せるわけでもありません。
ただ、診断名がついたからといって、「これからずっと同じ痛みが続く」と決まったわけでもありません。
股関節や背中の動き、身体を支える力、痛みをかばうことで身についた立ち方や歩き方など、今から見直していける部分もあります。
「ヘルニアを消すこと」を目標にするのではなく、今の身体でできることを増やし、腰だけに負担を集めにくい身体を目指していくことが大切です。
仕事を続けたい、旅行へ行きたい、ウォーキングを再開したい。そうした「痛みの先にある生活」まで考えて身体を見ていきましょう。
手術が必要になることもあります
「ヘルニアだから必ず手術」というわけではありませんが、反対に「身体の使い方を変えれば手術は必要ない」とも言えません。
脚の筋力低下が進んでいる、感覚の低下が強くなっている、排尿・排便に変化があるなど、神経の働きに大きな変化がみられる場合には、医療機関での評価が重要です。
また、症状が強く日常生活に大きな支障が続いている場合も、主治医と相談しながら治療方法を考える必要があります。
ねこひげ整体院でも、医療機関で確認すべき問題と、身体の動きや使い方として見直せる部分を分けながら考えていきます。
まとめ|診断名だけで、これからを決めないこと
椎間板ヘルニアと診断されると、「もう治らないのでは」と不安になる方は少なくありません。
しかし、画像でヘルニアが確認されたことと、今感じているすべてのつらさを同じものとして考える必要はありません。神経への刺激や炎症を確認することはもちろん大切ですが、痛みをかばうことで起きた身体の動きにくさや筋肉の緊張など、別の要素が重なっていることもあります。
ねこひげ整体院では、腰だけではなく、姿勢・身体の動き・体幹・立ち方や歩き方まで確認しながら、今の身体で変えていける部分を探していきます。
当院で行っている身体の動き・体幹・姿勢・日常動作の確認については、「椎間板ヘルニアでお悩みの方へ」で詳しくご案内しています。
「ヘルニアだからもう無理」ではなく、「今の身体で見直せるところは何だろう」と考えること。
そこから、やりたいことを続けられる身体づくりを始めていきましょう。

