「正座をすると膝が痛い」
「正座は避けているけれど、あぐらも楽ではない」
「床に座るとき、結局どんな座り方をすればいいの?」
膝に痛みがあると、和室や床で過ごすときの座り方に困ることがあります。
以前の記事では「正座そのものが悪いわけではなく、身体の使い方や筋肉のバランスが問題」と説明していました。しかし、これは少し身体の使い方に寄せすぎた説明です。
変形性膝関節症などで膝を深く曲げにくくなっている場合、正座そのものがつらいことがあります。
無理に正座を続ける必要はありません。
今回は、正座で膝が痛む理由と、正座もあぐらもつらいときにどのような座り方を選べばよいのかを考えていきます。
正座は膝を大きく曲げる姿勢です
正座では、膝をかなり深く曲げた状態になります。
膝に痛みや腫れ、曲げにくさがない方であれば、正座をしただけで必ず膝を悪くするというものではありません。
一方、変形性膝関節症などで膝関節に変化があったり、曲げられる範囲が狭くなっていたりすると、深く曲げる正座がつらくなることがあります。
日本整形外科学会でも、変形性膝関節症が進むと正座が困難になることがあり、日常生活上の注意として正座を避けることが挙げられています。
そのため、「正座できるようになるまで我慢して続ける」必要はありません。
正座で痛いからといって「身体の使い方が悪い」とは限りません
現在の記事では、「痛みの根本原因は座り方ではなく、動きのクセと筋肉バランス」と説明しています。
しかし、膝関節そのものに炎症や可動域制限があれば、それだけでも深く膝を曲げることは難しくなります。
もちろん、立ち上がるときの動きや股関節・足首の状態、筋力などが関係することもあります。
大切なのは、「膝そのもの」か「身体の使い方」かの二択にしないことです。
膝の状態を確認したうえで、日常生活でどのように座り、立ち上がっているのかも一緒に見る必要があります。
正座をやめれば膝は良くなる?
正座を避けることで、その場で感じる痛みが減る方はいます。
しかし、「正座をしなければ膝そのものが改善する」とまでは言えません。
正座はあくまで、膝を深く曲げる日常動作の一つです。
立ち上がりや歩行、階段でも痛みがある場合は、正座だけを避けるのではなく、膝全体の状態を確認した方がよいでしょう。
正座もあぐらもつらいときはどう座る?
「正座が痛いなら、あぐらにすればいい」と思うかもしれません。
しかし、あぐらでは股関節を大きく開く必要があります。そのため、股関節が動かしにくい方や、あぐらそのものが落ち着かない方もいます。
正座もあぐらもつらい場合は、無理に「床で楽に座れる姿勢」を探し続ける必要はありません。
まず選択肢に入れたいのは、椅子を使うことです。
和室などで床に近い生活をしたい場合は、座面のある正座椅子や低めの椅子を使ったり、クッションなどでお尻の位置を高くしたりする方法もあります。
同じ姿勢を長時間続けず、ときどき座り方を変えることも大切です。
「正座か、あぐらか」の二択ではなく、今の膝で無理なく座れる方法を選ぶと考えましょう。
横座りなら大丈夫?
正座やあぐらがつらいと、両脚を横へ流す「横座り」を選ぶ方もいます。
横座りそのものを一律に悪い姿勢と考える必要はありませんが、左右どちらか一方だけに長時間偏ると、腰や股関節など別の部分がつらくなる方もいます。
楽だからと同じ側ばかりで座り続けるのではなく、姿勢を変えたり、必要であれば椅子へ移ったりする方が現実的です。
「正しい座り方」を一つ決めるより、長時間同じ姿勢に固定しないことを意識してみてください。
床から立ち上がる動作も確認してみよう
正座で膝が痛い方の場合、座っている間よりも「そこから立ち上がる瞬間」がつらいこともあります。
床からの立ち上がりでは、膝だけでなく股関節や足首、脚の筋力なども必要になります。
家具や手すりにつかまると楽になるのであれば、無理に手を使わず立つ必要はありません。
イスから立つときにも膝が痛む方は、立ち上がり全般で症状が出ている可能性があります。
正座ができることをゴールにしなくてもいい
「昔は正座できたのに」と、正座ができなくなったことを身体の衰えのように感じる方もいます。
しかし、正座ができること自体が膝の健康の基準ではありません。
大切なのは、立つ、歩く、階段を使う、外出するといった日常生活をできるだけ無理なく続けられることです。
正座が必要な場面では座り方を工夫し、それ以外では椅子を使う。こうした選択も、膝を守りながら生活するための立派な方法です。
ねこひげ整体院では「正座できるか」だけを見ません
ねこひげ整体院では、正座で膝が痛む場合、無理に正座ができる身体を目指すわけではありません。
膝がどこまで曲がるのか、腫れや痛みはないかを確認しながら、股関節や足首の動き、脚の筋力、床やイスからの立ち上がり方なども見ていきます。
そのうえで必要に応じて、ゆるめる → うごかす → きたえる → おしえるという流れで身体を整え、その人の生活に合った身体の使い方や体幹ケア、運動につなげます。
目的は「正座をできるようにすること」ではなく、その人が日常生活を無理なく動ける身体を目指すことです。
このような症状がある場合は、医療機関を優先してください
- 膝が大きく腫れている
- 赤みや熱感がある
- 急に曲げ伸ばしできなくなった
- 膝が引っかかる
- 体重をかけることが難しい
- 安静にしていても強く痛む
このような症状がある場合は、自己判断で正座やストレッチを続けず医療機関へ相談してください。
また、以前はできていた正座が急にできなくなった場合も、一度膝の状態を確認しておくと安心です。
まとめ|正座・あぐらにこだわらなくて大丈夫
正座は膝を深く曲げる姿勢なので、膝の状態によっては痛みや動かしにくさが出ることがあります。
だからといって、「正座そのものが悪い」「正座をやめればすべて解決する」と単純に考える必要もありません。
正座もあぐらもつらいのであれば、椅子や正座椅子、クッションなども使いながら、今の膝に合った座り方を選びましょう。
大切なのは、正しい座り方を一つ決めることではなく、痛みを強くせず日常生活を続けられる方法を選ぶことです。
正座ができることではなく、立つ・歩く・動くことを大切にしていきましょう。

