「レントゲンを撮ったら、膝の軟骨が減っていると言われた」「もう軟骨がないから、この痛みは仕方ないの?」と不安になっていませんか?
膝の痛みがある方からは、「軟骨って骨なんですか?」「すり減った軟骨そのものが痛むんですか?」と聞かれることもあります。
まず知っておきたいのは、軟骨と骨は別の組織だということです。そして、「軟骨が減っている」という画像所見だけで、現在の膝の痛みのすべてが決まるわけでもありません。
今回は、膝の軟骨と骨の違い、変形性膝関節症と痛みの関係、そして今の身体で見直せることについて解説します。
そもそも「軟骨」は骨とは違います
膝関節は、太ももの骨である大腿骨、すねの骨である脛骨、膝のお皿である膝蓋骨などで構成されています。そして、骨と骨が接する関節面を覆っているのが関節軟骨です。
関節軟骨には、膝を動かしたときの摩擦を少なくしたり、関節に加わる力を受け止めたりする役割があります。
簡単に分けると、骨は身体を支える硬い組織、関節軟骨は骨の表面を覆う滑らかな組織です。「軟骨」という名前ですが、骨そのものではありません。
軟骨そのものには神経がありません
ここは少し意外に感じるかもしれませんが、関節軟骨そのものには血管や神経線維が分布していません。
そのため、「すり減った軟骨そのものが直接痛みを感じている」という単純な仕組みではありません。
では、なぜ変形性膝関節症では膝が痛むのでしょうか。
膝関節には軟骨だけでなく、骨・滑膜・関節包・靱帯・半月板・周囲の筋肉など、さまざまな組織があります。変形性膝関節症では、軟骨の変性だけではなく、炎症や骨の変化なども含めて関節全体に変化が起こり、複数の要素が痛みに関係します。
では「軟骨が減っている」のは関係ないの?
ここも誤解しないようにしたいところです。
「軟骨そのものには神経がない」ということは、軟骨が減っていても膝の痛みとは関係ないという意味ではありません。
変形性膝関節症では、軟骨の変性・摩耗や関節裂隙の狭小化、骨棘などの変化がみられます。状態によっては、立ち上がり、歩き始め、階段、正座、歩行などの日常動作がつらくなることもあります。
つまり、膝関節そのものの状態はきちんと考える必要があります。 ただし、「レントゲンで軟骨が減っていると言われた」という情報だけを見て、「もう何をしても無理」と決めつける必要もありません。
レントゲンだけでなく「今、何ができるか」も大切
医療機関では、レントゲンなどの画像だけでなく、痛む場所や腫れ、膝がどこまで曲がる・伸びるか、変形の程度、歩いたときの状態なども確認しながら診断します。
日常生活で考えても、同じように「軟骨が減っている」と言われた方でも、普通に歩ける人もいれば、階段だけ痛い人、イスから立つ瞬間につらい人、長く歩くと痛くなる人など、困っている場面はそれぞれ違います。
だからこそ、画像で分かったことと、今の身体が実際にどう動いているのかの両方を見ることが大切です。
特にイスから立つ瞬間に痛みが出る方は、膝だけでなく体重移動の仕方も確認してみましょう。
筋力や身体の使い方も膝の負担に関係します
ここで、ねこひげ整体院が確認するのが身体全体の動きです。
これは、「膝痛の原因は全部、身体の使い方にある」という意味ではありません。膝関節そのものの状態を踏まえたうえで、股関節や足首が動いているか、膝がしっかり伸びるか、左右どちらかへ体重が偏っていないか、身体を支える筋肉が使えているかなども見ていきます。
たとえば階段では、膝だけではなく股関節や足首も一緒に働きます。イスから立つときも、膝だけで身体を持ち上げるのではなく、上半身を前へ移動させながら股関節・膝・足首を使って立ち上がります。
つまり大切なのは、膝そのものの状態+膝をどのように使っているのかの両方を見ることです。
膝への負担は体重だけで決まるわけでもありません。減量以外にも見直せることについては、こちらで詳しく解説しています。
「軟骨を元に戻す整体」ではありません
ねこひげ整体院では、整体によって減った軟骨を元に戻したり、変形した骨を元通りにしたりできるという説明はしていません。
医療機関で診断された膝の状態を踏まえながら、今の身体で、できるだけ膝に負担を集めにくい動き方を目指すという考え方です。
そのために基本としているのが、
ゆるめる → うごかす → きたえる → おしえる
という4ステップです。
ゆるめる
膝や太ももなど、動きを妨げるほど緊張している筋肉があれば、まず動きやすい状態をつくります。
うごかす
膝だけでなく、股関節や足首なども含めて動きを確認します。膝以外が動きにくいことで、膝に仕事が集中していないかを見るためです。
きたえる
太ももだけを鍛えるのではなく、その方の状態に合わせて、お尻や脚、体幹など身体を支えるために必要な筋肉を使えるようにしていきます。
おしえる
最後は、立ち上がり・歩き方・階段など実際の日常動作へつなげます。必要に応じて、自宅で続けられる運動や身体の使い方もお伝えします。
目指すのは「軟骨を治すこと」ではなく、今より立つ・歩く・動くことを続けやすい身体をつくることです。
階段で痛む人は「膝だけで頑張っていないか」を確認
膝の悩みの中でも多いのが、「平地は大丈夫だけれど階段がつらい」というケースです。
階段の上り下りでは、平地を歩くときよりも膝を大きく曲げたり、片脚で身体を支えたりする場面が増えます。そのため、膝関節そのものの状態だけでなく、股関節や足首の動き、体重の受け止め方なども影響します。
階段で特に膝が痛む方はこちらも参考にしてください。
「軟骨が減ったから動かない方がいい」とは限りません
軟骨が減っていると聞くと、「使ったらもっと減るのでは?」「なるべく歩かない方がいいのでは?」と不安になる方もいます。
しかし、変形性膝関節症では状態に応じて運動療法が行われることもあります。もちろん、強い痛みを我慢して歩き続けたり、痛みが増えているのにスクワットを繰り返したりする必要はありません。
大切なのは、今の膝の状態に合った活動量や運動を選ぶことです。「動かない」か「頑張って動く」かの二択ではありません。
このような場合は医療機関を優先してください
膝の痛みがある場合、まず医療機関で状態を確認した方がよいケースもあります。
特に、急に膝が大きく腫れた、熱を持って赤くなっている、転倒やひねったあとから強く痛む、膝が引っかかって伸びない・曲がらない、体重をかけるのが難しい、安静にしていても強く痛む、痛みが急速に悪化している、といった場合は自己判断で運動や整体を続けず、医療機関へ相談してください。
まとめ|「軟骨が減った=もう治らない」と決めつけない
膝の関節軟骨は骨とは別の組織で、軟骨そのものには神経がありません。ただし、だからといって「軟骨が減っていても痛みとは関係ない」というわけでもなく、変形性膝関節症では骨や滑膜、関節包など関節全体にさまざまな変化が起こります。
大切なのは、画像上の変化だけで、自分の膝のこれからを決めつけないことです。
医療機関で膝そのものの状態を確認しながら、筋力、股関節や足首の動き、立ち上がり、歩行、階段など、今の身体で見直せる部分にも目を向けていきましょう。
ねこひげ整体院でも、膝だけを見るのではなく、身体全体の動きや使い方を確認しながら、今より動きやすい身体を目指していきます。
